青木 加奈さん
香川大学医学部附属病院
薬剤部調剤室
高校生の頃、社会貢献する仕事として医療系がいいなと考えていました。その中で、医師とは異なる立ち位置で「命を守る」仕事の一翼を担う薬学を志しました。大学で学んだ薬学の基礎知識や充実した実習施設での実践活動は今の仕事に直結するものでした。他では得難い体験だったと、仕事に就いて改めて実感しています。
Q現在のお仕事は?
病院の調剤室で、入院患者様や外来患者様用の薬を作っています。主に、一人が調剤したものを別の薬剤師の目でダブルチェックする「監査」と言う仕事をしています。
Q大学での学びと実際の仕事との違いは?
薬の基本は大学で学んだことにあります。ただ、患者様から学ぶこともたくさんあって、大学での学びを基本に患者さんからの学びが肉付けされて成長していくのだろうと感じています。
たとえば、薬の副作用は大学の座学で学ぶのですが、実際に服用している患者様から話を聞くことで、この薬はこの副作用が起こりやすいんだということを実感したり、薬を飲んだことのない私に、味が苦いとか大きくて飲みにくいといったことを教えてもらったりします。
Q薬剤師の仕事で一番大事な知識・技術とは?
薬には添付文書という法的な資料があり、それに基づいて用法・用量が決まっています。基本的にはその文書に添って薬を出すのですが、違っていたりする時もあります。患者様が飲み間違えたり、患者様に多く飲ませたりすると過剰投与と言って副作用のリスクもあります。正確を期すことがとても大事で、そのためにダブルチェックをする監査の仕事をする人がいるわけです。
Qこれまで、どのような部署を経験してきましたか?
病院の薬剤部にはいろいろな部署があるので、部署を異動し体験を重ねながら仕事の幅を広げています。今の調剤室の前は、脳神経外科や循環器系の病棟薬剤師として患者様と関わったり、抗がん剤を調剤する仕事も経験しました。次は、医療用麻薬を取り扱う部署への異動も決まっています。
Q次々と新しい部署に異動して、大変なことは?
病院では、医師や看護師だけでなく、リハビリを行う理学療法士・作業療法士や栄養士、放射線技師など、いろいろの職種の方々がみんなで患者様を支えています。そういう意味で、他職種とのコミュニケーションや連携が大事になります。医師や看護師さんの顔と名前を覚えないといけないし、その方たちとの関係性づくりも大変です。でも、慣れてくると、皆さんいろいろと教えてくれますし、知り合いも増えるので楽しいです。
Q薬剤師のやりがいとは?
患者様に「ありがとう」と言われた時、この仕事をやっていて良かったと思います。
Qオフの過ごし方は?
カフェで本を読んだり、書店に行ったり、当直明けに1人で温泉に行ったりしています。仕事に慣れて少し時間がとれるようになって、以前からやってみたかったドラムと英会話も習っています。仕事をする中でいろんな経験値を身に付けると共に、プライベートでも次々とチャレンジして、自分自身をどんどんスキルアップしている実感があります。
Qキャッチフレーズを付けるとしたら?
いろいろな部署を回って少しずつスキルアップしていきたいという気持ちも込めて、「患者さんとともに成長する薬剤師」です。