建学の精神
徳島文理大学の建学精神は、「自立協同」である。この建学精神は、学祖村崎サイが明治28年(1895年)7月徳島に私立裁縫専修学校を設立した歴史に由来する。学祖は、「女も独り立ちが出来ねばならぬ」との信念を持ち「女性の自立」を唱えて村崎学園を創立した。昭和20年(1945年)7月、学園は戦火に包まれ灰燼に帰し、村崎サイも学園と運命を共にした。その年の秋、戦野から帰還した村崎凡人元理事長は、学園の復興に精魂を傾け、総合学園の建設を目指した。その過程で、「他からの協力、他への協力なくして、『人間の自立』はあり得ない。」との確信に至り、学祖村崎サイの精神を受け継ぎ、「村崎学園」の建学精神を「自立協同」としたものである。
この建学精神の意味するところは、成長してゆく人間として、「自立」は重要な到達目的であり、「協同」は「自立」を具現化する方法、とするものである。
「協同」は「力を合わせて物事をする」ことなので、個としての「自立」は、「協同」すなわち「他からの協力、他への協力」という体験の中で促される。「人」はその体験を通して人間的な成長を遂げる。学園における教養的教育、専門的学術・芸術探求の教育は、まさに「人間の自立」を促す「協同」の場であらねばならない。
爾来、学園はこのような歴史に基づいた「自立協同」の建学精神のもと、教育を推進し、幼、小、中、高、短大、大学、大学院併せて9学部27学科、6研究科、3専攻科、そして、5研究所、1相談室を有する総合学園として発展してきた。
今後とも建学精神のもと、ますます精進し、学術・芸術の探究を通して未来を創造する大学でありたいと願っている。
学章
本学の学章は、アカンサス属(Acanthus)の一種、アカンサス・スピノーサスの葉を、当時の河野講師によって図案化されたものです。アカンサスの刺は事に当たり厳正的確に処理する優れた知性を、その葉は古代ギリシャの美ないしは芸術に通ずる豊かな情操を具象化するものとして、本学の学章に制定されました。