公開日 2023年12月13日
異文化コミュニケーションで使用している英語の教科書は、
私ともう一人のアメリカ人講師が著者なのですが、
英語圏での祝日に関して、例えば日本人はクリスマスなどを、宗教色のない、
お祭り的な行事としてさまざまな年末商戦につなげている、というような記述があります。
すなわち、日本人はキリスト教を理解する、
といった国際化(=internationalization)ではなく、
商業化(=commercialization)に興味があるのだ、という英文があり、
これを書き足したのは相棒のアメリカ人講師です。
私自身は日本人として、このような、いかにも日本人は国際的理解がトンチンカンで、
お金勘定だけにはあざとい、といった説明が嫌で、そのアメリカ人講師に
「この1文は日本人を侮辱しているような感じがするからカットしてくれ」と注文をつけました。
ところが、返ってきた彼の答えに驚きました。
彼は「侮辱なんてとんでもない。日本人は商売で成功してエラい。
物が売れてみんながハッピーになって、素晴らしいじゃないか。
確かに、クリスマスの本当の意義がわからなくなっちゃってるかもしれないけど、
世の中には商業的に失敗して周囲も不幸にする場合もあるのに、
日本人はファンシーなキャラクターグッズみたいなものをたくさん作って、
本当にスゴいよ」と語ったのです。
なるほど、そのような視点もあるのか、と思いました。
特に、アメリカのキリスト教の多数派に影響を与えている
ピューリタニズムが勤勉さと商売を高く評価していることを考えれば、
そうなのかもしれません。