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サンタクロースの本拠地はフィンランドなのでしょうか?

公開日 2023年12月08日

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世界中で現在、一般化しているサンタクロースのイメージ、

例えば、トナカイが引く空飛ぶそりに乗って来て、煙突から入り、

靴下におもちゃを入れてくれる、白いひげの老人で、背は低く、お腹が出ている、

といったものは1800年代初期に、アメリカのClement C. Mooreがニューヨークで

A Visit from St. Nicholas という詩(聖ニコラスの来訪、クリスマスのまえのばん、などと邦訳される)を

発表することによって定着したものです。

 

 

すなわち、St. Nicholasが現在のSanta Clausということになりますが、

これが、イギリスにまで伝わるには時間がかかったため、

イギリスで最も有名な小説『クリスマス・キャロル』にはサンタが登場していない

といったところでしょう。

 

ところで、このSt. Nicholasのモデルとなった人物の墓は、現在のトルコにあることが、

2017年の考古学調査で判明しました。

 

でも、トルコならば、雪やトナカイのイメージにほど遠いです。

サンタの本拠地は別にあるのではないでしょうか?

有力な候補地としてよく挙げられるのが、フィンランドです。

 

クリスマスの概念も含めて、キリスト教が伝わる前の時代から、

フィンランドでは独自の真冬の記念日があり、それにあわせて男たちが

角の生えた仮面をかぶって家を一軒一軒めぐり、食べ物やプレゼントをねだり、

拒否されると大声を出したり子供をおどかしたりする、という悪霊を真似する恒例行事がありました。

 

ところが、1800年代に、アメリカのClement C. MooreがA Visit from St. Nicholas の詩で

St. NicholasすなわちSanta Clausの原型を一般化させると、フィンランドでは

恒例行事の悪霊をヒントに、Joulupukkiと呼ばれる善人キャラが登場します。

赤い服を身にまとい、「良い子はいませんか」と一軒一軒、玄関をノックし、

プレゼントを渡す、というまさにサンタクロースのような人物です。

ただし、煙突から入る、という定番の行為がありませんが。

 

フィンランドの教育文化大臣は2017年に、このJoulupukkiを、

ユネスコの国際無形文化財のリストに入れるべく活動を行う、正式な段取りを開始しました。

もし、正式に無形文化財として承認されれば、サンタの本拠地候補地として

フィンランドは他を一歩リードすることになりそうです。

 

ところで、Joulupukkiに変身する前の、フィンランドにおける悪役キャラですが、

日本では秋田のなまはげを連想してしまいます。真冬に鬼の仮面をつけ、

包丁を手に「泣く子はいないかー?」と叫び一軒一軒をまわるというものですが、

実は、本来、なまはげは悪霊ではなく、怠け心や不和をいましめ、

災いを祓って豊作をもたらす来訪神なのです。

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また、来訪神としては、仙台市に仙台四郎という福の神がいます。

実在の人物なのですが、知的障害があり、街を徘徊しながら

訪れる家々で食べ物はねだるが危害は及ぼさない、という特徴があります。

不思議と、彼が選んで訪れる店は繁盛することから、

商売繁盛の神としてよく祭られています。

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フィンランドに関する情報は、以下のBBCトラベルのウェブサイトを参考にしています。

https://www.bbc.com/travel/article/20171221-does-santa-claus-come-from-finland