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徳島新聞で「鶯教授の目指せ!健康長寿」の連載が始まりました!

公開日 2021年04月20日

令和3年4月17日(土)から徳島新聞にて、鶯学科長による記事の連載が始まりました!

毎月第3土曜日に「鶯教授の目指せ!健康長寿」という題名で掲載されています。
掲載された内容は学科ブログでも公開させていただきます。毎月の更新をお見逃しなく!


【鶯教授の目指せ!健康長寿】 令和3年4月17日(土)掲載
第1回「平均寿命と10年の開き」

厚生労働省の「簡易生命表」によると、2019年の日本人の平均寿命は男性が8年連続で過去最高を更新し81.41歳、女性は7年続けて上回り87.45歳。
男性が世界第3位、女性は世界第2位の長寿国となっています。
長生きできることは喜ばしいことですが、問題は「健康寿命」です。

健康寿命とは元気に自立して日常生活を送れる期間のことです。
16年度の厚生労働省「健康日本21推進専門委員会」の資料では、徳島県民の健康寿命は男性が71.34歳で全国44位、女性は74.04歳で全国43位となっています。
全国の健康寿命は男性が72.14歳、女性は74.79歳です。
この年の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳なので、健康寿命との差は男性で約9年、女性では約12年となっています。

つまり、日本では日常生活に何らかの介護が必要な期間が約10年あるということになります。

健康寿命を延ばすことは、個人の生活の質低下を防ぐとともに、社会保障費の軽減を図るためにも重要です。
現在、健康寿命を延ばすために「フレイル」が注目されています。

フレイルとは年を取って心と体の働きが弱くなってきた状態で、「虚弱」を意味する「fraility」を語源とする言葉です。
分かりやすく言えば、健康と要介護の中間の時期を指します。
一見、元気そうな高齢者の中にもフレイルの人は1割程度いるとされているほか、
75歳を過ぎると大幅に増加するといわれています。
また、フレイル状態のまま何もしないと2年以内に17.6%が要介護認定を受けたとの報告もあります。
「歩く速度が遅くなった」「おいしいものが食べられなくなった」「活動量が少なくなった」という人はフレイルの危険信号がともっていると考えられるので要注意です。

20年版高齢社会白書によると、要介護の原因は1位が認知症(18.7%)、2位が脳血管疾患(15.1%)、そして3位が高齢による衰弱(13.8%)となっています。
健康寿命を延ばすためには、認知症や脳血管疾患を予防するほか、フレイルの兆候をできるだけ早期に発見して日常生活を見直すなどの正しい対処を行うことが必要です。

フレイルは「栄養」「運動」「社会参加」の正しい対処を行えば、その進行を抑制し、健康な状態に戻すことも可能なのです。

次回はフレイルの早期発見について詳しく説明します。