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超音波診断装置用ファントムに使用される新しい生体組織近似材料を開発

公開日 2024年06月22日

人体の皮膚や筋肉組織と同じ超音波特性をもつ材料が,生体組織近似材料( Tissue-Mimicking Material,TMM)です。
従来より、天然物由来である寒天を基材としたTMMは国際規格値を満たしているため、広く利用されています。
しかし、寒天は雑菌増殖、腐敗、壊れやすい他に、水分蒸発による含水率の経時変化が生じるためファントムの超音波特性を
長期にわたって満足することができていない不具合を抱えており、長年にわたり問題視されてきました。
TMMを作製するための材料と方法はこれまでに多くの論文等で公表されてきましたが、国際規格で定められた常温における
超音波物性値(音速、音響インピーダンス、減衰定数)を全て満たすことは難しく、報告例もありませんでした。

佐藤教授らは、八十島プロシード株式会社のエコーゲルパッドに利用されているセグメント化ポリウレタンを使用して、
既存の寒天が持つ不具合を全て解決し、かつ、国際規格値を全て満足した新しいTMMの開発に成功しました。
このたび、八十島プロシード株式会社本部テクノロジーセンターがこのTMMを使用した超音波診断装置用ファントムの試作品を作製し、
谷口総合研究所の協力も得て、日本超音波医学会第97回学術集会(2024年5月31日~6月2日)にて共同発表しました。

ナノ佐藤