公開日 2023年12月07日
こんにちは!クリスマスに向けた話題を、続けてご紹介いたします。
現代のクリスマスの風習は、1800年代中頃のイギリスで大体、
定着したと言われています。この時期はヴィクトリア朝時代と言われ、
上の図で示したヴィクトリア女王が18歳で即位して(高校生くらいの年齢!)以降、
63年と7ヶ月続きました。この間、イギリスは世界の土地と人口の4分の1を
植民地などで配下に置いていた、黄金期と言えます。
ところで、この時代に、イギリスの国民的小説家であるCharles Dickensは、
代表作の『クリスマス・キャロル』をはじめ、多くのクリスマスものを執筆し、
「イギリスのクリスマスを創始した男」とも称されるようになりました。
ここで本題の「キャロル」(carol)ですが、英語辞書ではコーラス(chorus)と同系統の
語源を持ち、讃美歌と訳されているのが一般的です。何を賛美する(ほめたたえる)か
と言えば、キリスト教の神ということになります。
ただ、現代では宗教色の薄い、お祭的なイベント用として
広くクリスマスソングを含めると、
『ジングルベル』、『もろびとこぞりて』、『清しこの夜』、
『ホワイトクリスマス』、『赤鼻のトナカイ』
など、ああ、聞いたことのあるものだな、
という感じのものが多いと思います。
この小説『クリスマス・キャロル』の内容は、ケチで意地悪な老人が
クリスマスイブに幽霊と会い、このままではろくな死に方をしないぞ、
と警告されて心を入れ替え、翌日のクリスマスには気前の良い善人になる
というもので、クリスマスのお祝いムードを連想させるいろいろな
描写が含まれています。
ところが、クリスマスには当然欠かせないと我々が想定する2つのものが、
この小説には全く登場しません。クリスマスツリーとサンタクロースです。
これについては、次回、説明することにいたします。