公開日 2020年06月22日
本学科の教員(赤澤直紀講師)の論文「Cut-off value for low BMI in Asian populations of the GLIM criteria discriminates high or low muscle mass: A cross-sectional study」が海外の雑誌「Nutrition(Impact Factor; 3.591)」に掲載されました!
今回掲載された雑誌は世界的に有名な雑誌であり,かなりレベルの高い研究でなければ掲載されることはありません。
本学科は,大学としてこのような最先端の研究にも力を入れているので,その設備も他の学校にはないような高度なものです。
そして,それら高度な機械は学生の卒業研究や各種実習で惜しみなく使用しています。当大学に入学して,最先端の研究・機器に触れてみませんか?
【論文の概要】
2018年に発表された世界的な低栄養診断基準(GLIM基準)では、Body mass index(BMI:体重 [kg] を身長 [m] の二乗で除した値)が重要な栄養指標として定められました。
しかし、70歳以上のアジア人の中等度低BMIと重度低BMIを区分するカットオフ値は、このGLIM基準の中では設定されておらず、研究課題として残っていました。
GLIM基準が発表された翌年(2019年)、Maedaらは、入院中の生存をアウトカムとした結果、中等度低BMIと重度低BMIを区分するカットオフ値が17.8 kg/m2であることを報告しました。
本研究では、その17.8 kg/m2のカットオフ値の妥当性を大腿四頭筋の筋量の視点から検証しました。結果、年齢・性別・入院日数を統計学的に補正した後においても、重度低BMI群の大腿四頭筋の筋量は、中等度低BMI群および標準BMI群のそれらよりも有意に低値を示しました。
これら結果は、70歳以上の高齢者の中等度低BMIと重度低BMIを区分するカットオフ値が17.8 kg/m2であることの妥当性を筋量の視点から支持しました。
【赤澤講師からのコメント】
低栄養状態にある患者様においては、理学療法の効果が得られにくくなることが近年の研究で明らかとなっています。
臨床では患者様の栄養状態を常に把握しておくことが理学療法士には求められます。
本研究で得られた知見は、GLIM基準を用いた70歳以上のアジア人高齢者における重度または中等度低栄養の判定に役立つ知見になるものと考えます。